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曲げ加工で加工品質を左右する注意点

曲げ加工とは

曲げ加工は、素材となる鋼材をパンチとダイで両端を固定し、中央を直角方向に押すことで外側が伸ばされ、内側が逆に縮んで反る加工方法です。一見この鋼材を折り曲げる曲げ加工はシンプルな技法ですが、歪みの発生や曲げ割れ、スプリングバックといった不具合現象が発生するので精密な機械調整や寸法設定が欠かせない高度な技法です。

そのため、精密板金加工の工程の中でも最も難しい技術とも呼ばれております。曲げる断面の形状によって、V曲げ、L曲げ、U曲げ、R曲げ、ヘミング曲げなどがあり、プレスブレーキやベンディング、ベンダーと呼ばれる工作機械を使って加工します。複数回の曲げ加工を行うことで、複雑な部品の製作も可能です。

>>生産コストを削減するFR曲げとは?


曲げ加工は、材質、金型、板厚を考慮して適切な方法を選択しなければ素材が破損してしまったり、変形してしまう恐れがあります。板厚が厚くて硬い素材ほど加工が難しく、板厚が薄く柔らかい素材ほど加工しやすくなりますが、これは圧縮応力や引張応力との関係性であり、スプリングバック量を考慮して、材質や板厚を見極めておかなければなりません。

加工品質を左右する曲げ加工のポイント

鉄板は圧力を加えて曲げることで、外側は引っ張られて伸び、内側は縮んで圧縮されます。これにより平面には、反りや歪みが発生してしまいます。そのため板材の材質によってどの程度の伸び縮みがあるのか、あらかじめ材料の特性も考慮した上で、反りや歪みをいかに抑えるかが精度向上において重要となります。

下記にて当社が曲げ加工において製品の精度を向上させる取り組みをご紹介します。

①金型のオス・メスを装着する段取り

曲げ加工は求める曲げ形状に適した金型を機械にセットします。金型を機械にセットする際は、上下の金型を所定の位置にゼロ点設定しますが、これが合っていないと金型を破損させてしまう恐れがあります。

②金型に応じた芯出し作業の段取り

機械で板材に圧力を加える前には芯出しと呼ばれる金型の位置合わせを行います。これにより、芯ずれによる寸法差の発生を防ぎますが、正しく芯出しができていない状態で加圧すると、数mm単位のずれが生じたり、金型が破損してしまうことがあります。

③曲げ加工で発生するスプリングバック

曲げ変形を起こした部分が元に戻ろうと曲げ角度が跳ね返ってくる現象のことをスプリングバックと呼びます。スプリングバックの量は一般に角度で表されますが、材質・板厚・加圧力・曲げ半径などの加工条件で変化するので、正確に予測することは困難です。そのためスプリングバックを加味して製品全体で精度バランスが良い仕上がりにするには熟練の技術を要します。

>>曲げ加工で起こるスプリングバック対策とは?


④腰折れを起こさない保持姿勢

曲げ加工において板厚がある程度の薄さになると、金型を支点として部材が反対側に折れ曲がってしまう腰折れが発生する恐れがあります。その結果、製品の精度や外観を悪くしてしまいます。

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