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生産コストを削減するFR曲げとは?

曲げ加工の原理とは

曲げ加工は、素材となる鋼材をパンチとダイで両端を固定し、中央を直角方向に押すことで外側が伸ばされ、内側が逆に縮んで反る加工方法です。一見この鋼材を折り曲げる曲げ加工はシンプルな技法ですが、歪みの発生や曲げ割れ、スプリングバックといった不具合現象が発生するので精密な機械調整や寸法設定が欠かせない高度な技法です。

そのため、精密板金加工の工程の中でも最も難しい技術とも呼ばれております。曲げる断面の形状によって、V曲げ、L曲げ、U曲げ、R曲げ、ヘミング曲げなどがあり、プレスブレーキやベンディング、ベンダーと呼ばれる工作機械を使って加工します。複数回の曲げ加工を行うことで、複雑な部品の製作も可能です。

>>曲げ加工で起こるスプリングバック対策とは?

曲げ加工の主な種類とは

曲げ加工には、曲げる角度や形状が異なる主に次のような種類があります。いずれも、曲げたい角度や形状に適したオス金型とメス金型を選んで機械にセットして加工します。

①V曲げ

V曲げは「V字形」のパンチを使い、板を押し曲げる加工方法です。金型がシンプルなため、さまざまな曲げ加工に広く使われ、直角以外の角度で曲げることもできます。ただ板材を固定しないため、成形品の飛び出しや、落下、腰折れに注意が必要です。

②L曲げ

L曲げは板材を押さえながらパンチを押しあて、L字に曲げる加工方法です。板を押さえながら曲げるためV曲げと比較すると、成形が安定しており長い板材の曲げも可能です。

③U曲げ

U曲げは板材をパンチと逆押さえで加圧し、U字に曲げる加工方法です。パンチによる曲げを逆押さえで補助することで、U字の両角を同時に曲げることが可能になります。製品ごとに専用の金型が必要なため汎用性は低くいですが、曲げ角度のバラツキが少なく、曲げ工数を減らすことができます。

④R曲げ

R曲げは丸型のパンチを使い板材をアール状に曲げる加工方法です。

⑤ヘミング曲げ

ヘミング曲げは板材の縁を180°折り返した後、平らにつぶす加工方法です。製品の縁を厚く仕上げることで、見た目と安全性が向上します。

生産コストを削減するFR曲げとは?

上記のように板金加工においては、様々な曲げ加工があります。そのうちの1つであるR曲げ加工は専用の金型の有無が問題となる場合があります。通常の場合、曲げ部にRをつけるためには、対応したR形状を持った専用の曲げ上型が必要になります。しかし対応する金型がない場合は、専用R金型を新規に作成する必要があります。ただ、専用R金型を作成するにあたり試作案件の場合には、コストが大幅にかかってしまいます。また一からの作成となりますので、製作に時間がかかり全体的に遅れが出てしまいます。

このような問題を解決するために、新しく金型を製作する代わりに当社ではFR曲げ加工を多用しております。FR曲げは一定のピッチで少しずつ鈍角曲げを、任意のアール寸法を加工する技術です。鈍角曲げのピッチを小さくするほど、Rは滑らかで綺麗な仕上がりとなります。FR曲げは一定のピッチで多数曲げを行うため、加工面に金型の曲げキズや多段折れが発生しやすいですが、当社では過去に受注した製品事例を参考にしながら、材質・板厚・精度等の条件を踏まえて、作業者が製品ごとに合ったピッチを決めて加工しています。

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